場面緘黙と人見知りの違いは?それぞれの特徴や対処方法を紹介します
家庭では問題なく会話をしているのに、特定の場面や状況下では上手く話せなくなってしまう場面緘黙。それって人見知りと何が違うの?と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。この記事では、場面緘黙と人見知りの違いや、それぞれの対処法をご紹介します。気になる方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
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目次
場面緘黙に特徴的な症状は
場面緘黙とは、特定の場面や状況において、声を出して話すことができない状態が、一カ月以上続くことを指します。場面緘黙に特徴的なのが、家庭では問題なく喋ることができて、発声や器官には異常がないことです。本人もわざと黙っているわけではなく、不安を感じる場面などでのどが締め付けられるようになったり、声を聞かれることに恐怖を感じたりして、うまく言葉を発することができません。
また緘動といって、身体が必要以上に緊張することにより、動作や表情がぎこちなくなってしまう症状があります。ひどいときには身体が硬直してしまうので、学校では体育の授業で動けなくなってしまったり、会社でも印鑑を押すのに時間がかかってしまうこともあり、本人にとっても大きなストレスです。
人見知りの人の特徴は
人見知りという言葉は、今では大人にも子供にも使われていますが、本来は、子どもが知らない人に会ったときに、嫌な気持ちを態度で示したり恥ずかしがることを指します。大人にも子供にも共通する人見知りの特徴は、以下の通りです。
・初対面の人を前にすると過度に緊張してしまう
・恥ずかしい気持ちが大きい
・人前に立つことが苦手
・人とのコミュニケーションが苦手
子どもの場合には泣いてしまったり親の後ろに隠れてしまったりすることもありますが、大人の場合には相手を不快にさせたくないと理性が働くので、上手にふるまおうと努力します。しかし、人見知りが日常に支障をきたしてしまうレベルの場合には、コミュニケーション障害や対人恐怖症などの精神疾患として扱われることもあります。
場面緘黙と人見知りの違いは?
場面緘黙と人見知りの違いを2つご紹介します。
話せない期間が長く続くか
特定の状況において話せない状態が、一カ月以上続く場合には、場面緘黙症を疑ってみてもいいでしょう。通常は数カ月もすれば、新しい環境や人に少しずつ慣れていくものですが、それでも話さない場合には、性格の問題ではないかもしれません。
必要があるときに話せるか
人見知りは病気ではなく、話そうと思えば他者とコミュニケーションを取ることができます。しかし場面緘黙の場合には、本人が話したくても言葉が出てこないという疾患です。そのため、必要な場面であっても、言葉を発することがない状態が続くのであれば、場面緘黙かもしれません。
場面緘黙と人見知りの対処法を解説
場面緘黙と人見知りの対処法を解説します。場面緘黙には周りの人の気付きや支援が必要です。ぜひチェックしてみてくださいね。
場面緘黙を持つ人への対処法は?
まずは専門家や学校に相談して、本人が過ごしやすい環境づくりを進め、適切な治療を受けましょう。治療開始が遅れてしまうと、うつ病や別の精神疾患など二次的な問題を併発してしまうことがあります。
また日常においては、話さないことに対して本人を責めたり、話す機会をあえて設けたりするのはやめてください。本人に刺激を与えないよう穏やかに接し、返事がなかったとしても嫌がる様子がなければやさしく話しかけてみましょう。筆談などのコミュニケーションツールを試してみるのもおすすめです。
人見知りの人への対処法は?
人見知りの人は、相手のことをよく知るまで様子を伺い、消極的な態度で接することも多いですが、時間が経つにつれてその態度は変化します。警戒心が解けるまでの時間には個人差がありますが、自然体を意識しながらゆったりとした気持ちで接してみましょう。返しやすそうな話題を振ってみるのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか。場面緘黙と人見知りの違いを解説しました。場面緘黙と人見知りの最大の違いは、自分の意志で話せるかどうかと、病気の問題か性格の問題かという点です。人見知りかもと思っていたら、場面緘黙だったということもあるので、症状が見られた場合には、ぜひ専門家に相談してみてくださいね。
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