大人の発達障害との関わり方とは?
発達障害は子どもに起こるイメージがあると思いますが、大人にも存在します。就職や進学などの環境の変化で大人になってから明らかになるのが大人の発達障害です。では実際職場や進学先で大人の発達障害を持つ人と関わっていくにはどうしたらよいのでしょうか?
この記事を読むことで大人の発達障害の人との関わり方がわかります。
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目次
大人の発達障害とは?
今まで大人になるまでの日常生活では支障がなく、普通に生活できる程度の状態だったため、発達障害に気づかない人もいます。大学への進学、企業への就職といった環境変化で発達障害が明らかになるものを大人の発達障害といいます。大人になってから初めて発達障害と診断される方も出てきたため、最近注目されるようになりました。
大人の発達障害を持つ人が進学、就職により環境が合わなかった場合、学校生活や仕事で失敗を繰り返し、発達障害の症状にくわえてうつ病を患う原因にもなります。その結果仕事の継続が難しくなり、社会的にも経済的にも不安定な状況に陥ってしまうケースもあります。
大人と子どもの発達障害の違い
発達障害はASD(自閉症アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠如・多動性障害)、LD(学習障害)といった脳の機能の一部に障害があり、様々な症状をきたします。子どもの時の発達障害と症状自体は変わりがありません。違いとしては大人になって明確になったものか、子どもの時から発達障害だと気づいたかの違いです。
大人の発達障害の関わり方
今後職場で大人の発達障害をもつ人と一緒に働く事も増えてくると思います。では実際に大人の発達障害を持つ人とどのように関われば良いのでしょうか。下記のポイントに絞ってまとめていきました。
症状を理解する
まずは症状を理解しましょう。発達障害は個性としての認識をし、本人が働きやすい環境を作ることが大事です。理解をしなければ、よくミスをする人といった誤認が生じるため、理解することで苦手なことは助けてあげることができます。
ASDは他の人とコミュニケーションをうまくとることが苦手です。そのため情報を伝えるときはASDを持つ人にわかりやすいように具体的に伝えてあげたり、視覚的に説明するなどの工夫を行うとよいでしょう。
LDの場合は文章を読む、聞く、話す、書く、数字を計算することなどが苦手です。ただし人によっては逆に得意なこともこの中ではでてきます。苦手な部分を無理に使うのではなく、得意な部分を使うことで業務内容を理解していくように説明する配慮が大事になります。
ADHDは不注意によるミスが多かったり、じっとしていることが苦手で衝動的に思いついた発言、行動をとる特性があります。ただこの衝動的な発言と行動は、思いつきもしなかったアイディアを生んだり、積極的に動く行動力にもなります。
また興味があることに対しては積極的に取り組むことができるので、その個性を活かせる仕事を与えることが効率よく仕事をこなしてくれる鍵になります。不注意によるミスは気が散りにくくするための配慮があるとより効率よく作業ができるようになります。
個性を活かす
興味があることには没頭できるのであれば、興味がある仕事を聞きだし、そういった仕事の割り振りをする。コミュニケーションをとることが苦手であれば、コミュニケーションが少ない仕事を与える。誤字脱字などのミスが多ければ、動きのある仕事を任命する。といった個性を活かすことで、障害を持っていたとしても成功の積み重ねをすることができます。
そして成功の積み重ねが出来れば、自信になりストレスの少ない職場だと認識していきます。そういったポジティブな認識がうつ病などの二次障害を抑えることに役立ちます。それぞれの個性を知り、得意分野への仕事の割り振りをすることで発達障害を持つ人の働きやすい職場を確立することができます。
職場で発達障害の症状をもった人と接する場合
仕事ができないからといって大声で責めたり、威圧的な態度で接すると返ってパニックを起こす事があります。 困っているようであれば、具体的な言葉でわかりやすく説明をすると大人の発達障害を持っていてもスムーズに理解します。
そのためにも、大人の発達障害を持つ人が働きやすくなるためには、職場の人の発達障害への理解が必要になります。症状を理解して働きやすい職場を目指しましょう。
まとめ
これから大人の発達障害を持つ人と関わることが増えてくると思います。その際はしっかりと症状を理解し、個性を活かせる仕事を割り振りすることで、大人の発達障害を持つ人も働きやすい環境になります。発達障害は環境が変われば良い方向に働くことも多いです。周りで大人の発達障害で困っている人がいるのであれば、積極的に助けてあげましょう。
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