まりなちゃん(仮名)の手紙
まりなちゃん(仮名)は、場面緘黙症の中学3年生の女の子です。
先日、宿題にしていた「これまでの感想」を書いてきてくれました。
*承諾を得ていますので、ご紹介します。
私は、中学1年の時から中之園先生とカウンセリングをしています。
最初はお母さんがペアトレをしていました。カウンセリングでは、最初にゲームをしたり、筆談で話したりしていました。でも今は、声で話すことが出来るようになりました。
私は、学校で話すことと速く動くことが難しかったです。
出来るようになるために、カウンセリングでの宿題を全部で来るように頑張りました。それで、耳元で話したり、だんだん声を大きくしていくことをしました。
今は、質問されたら答えたり、自分から声をかけることが出来るようになりました。動くスピードもだんだん普通のスピードで動けるようになりました。
私は、家では字を大きく書けるけど、学校では大きく書くことが出来ませんでした。
今は、学校でも普通くらいの大きさで書けるようになって、
板書をするのは前は追いついていかなかったけど、
今は、追いついていけるようになりました。これからは、普通に話せるように頑張っていこうと思います。
R2, 8月 まりな
支援は3年目に入りました。
お母さんが緘黙ペアトレで学ばれ、その後個別セッションに移行しています。
始めの頃のまりなちゃんは、お手紙にあるように
・家族以外とはほとんど話すことが出来ない⇒他者とコミュニケーションが取れない。
・動きがとてもゆっくり⇒板書する事や、運動系の行事に参加することが難しい。
・字がとても小さい⇒書いていても伝わりにくい。
でした。
他にも、困った時に涙が出てしまう、ということも課題でした。
私と一緒に取り組んだことは、「『泣く』ことは卒業しよう!」「困った時に伝える手段を考えよう」ということでした。
そこで
・伝えたいことを筆談する
・困らないように準備する
等のアイデアを実行しました。ここもちゃんとクリアできましたね。🤗
まりなちゃんは頑張り屋さんでした。
月1回のカウンセリングの間に「出来るようになったこと」のメモを、自主的に私に渡してくれました。
すると
最初は小さい文字だったそのメモが、だんだんと大きな字になっていきました。
そして
・他者とのコミュニケーション⇒話せる先生や友達が増えてきた。⇒学校がもっと楽しくなってきた。
・動きがゆっくり⇒運動系の行事にも参加できるようになった。板書も付いていける。⇒学習意欲も高まった。
・字の大きさ⇒大きくなってきた⇒自身が付いてきた。
などなど・・たくさんの変化が起きています!
不安や緊張しやすいタイプであることには変わりないのですが、
話せるようになりたい気持ちが強い!ので
小さな成功体験を積み重ねていくことで、彼女の中には確かな自信が育まれていることは間違いないでしょう。
ピアノが得意で、将来はパティシエになりたいという夢を持つ、まりなちゃん。
周囲の支援者が気を付けることは
ここまで出来たのだたら、次、次と急かさないことが大事です。
温かく見守りながら、支えていきましょう。
もちろん私も
カウンセラーとして、今後もまりなちゃんの小さなチャレンジを応援していきます!
いつか、まりなちゃんの夢が叶いますように💖
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