熊本の場面かんもく家族支援・メンタルケア

【チャレンジする】VS【様子をみる】場面緘黙を克服するのはどっち?

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場面緘黙を克服するのは?

もちろん【チャレンジする】方です。

一年間かんもく親子コーチングでトレーニングしてきた6人の子どもたち

個人差はありますが、ほとんどの子が

ZOOM上でも会話ができました

 

 

どうするの?どうやってチャレンジさせるの?

と疑問に思いますよんね。

トレーニングを受ける前の場面緘黙児のママから

「緊張が強いのでうちの子は、いくら言っても家以外で挨拶ができないんです」というお話をよく聞きます

 

チャレンジにはやり方があります。

 

チャレンジというと、何か大きな目標に向かって自分を鼓舞するイメージがありますよね。

確かに、今までやったことのないことにチャレンジするには【勇気】が要ります。

ただ、不安や緊張の強い子にいきなり「挨拶しなさい」「どうして話せないの?」と迫ったところでできません。

 

やり方とは?

不安の小さい行動を選んで、計画的に取り組むことです。

場面緘黙の子どもが「これならできる」と本人が納得してチャレンジを始めます。

そして成功すれば認めてあげてください。

出来たら褒める

👆👆

これを忘れている親さんが結構多いです。

 

【ミライ開花】コースを先日終了した子どもたちは

自分で目標を立て、実行してきました。

だから

  • 積極性が出てきました
  • 回避癖は無くなりました
  • 話せる人、場所が増えてきました
  • 困ったときにどうすればいいかも理解しました。

 

様子を見るということは?

家以外で話せない、学校で一言も話せない、でも本人は困り感がないこともあります。

 

今のままで困ってない?本当にそうでしょうか?

 

もしかしたら、周囲の手厚いサポートがあって【話さなくても困らない】のかもしれません

周囲のサポートは大切です。

それが緘黙児の自立を促すものであれば

 

サポートのし過ぎには注意が必要です。

これは本当の安心感が維持されていると言えるでしょうか?

社会適応していると言えるでしょうか?

 

場面緘黙の子が維持しているのは【回避】です。

緊張する、嫌だ、怖い、やりたくない

このような場面に直面し、不安が高まると⇒それを避ける➡誰かが助けてくれる

このことが習慣化すると【回避】が維持されます。

 

これは一時的に場面緘黙児に【安心感】をもたらします。

しかし

【回避】は一時しのぎにすぎません。

 

本当の安心ではないので、また同じような場面に遭遇すると⇒【回避】する

こうして【回避】が習慣化するのです。

するとそれを自力で克服することは非常に難しくなります。

 

 

チャレンジ成功事例

場面緘黙は克服できます。

この本は、私と場面緘黙の少女とお母さんでともに取り組んで

3年半をかけて、場面緘黙を完全に克服した実例をまとめたものです。

 

  • 場面黙を克服したい
  • 話せるようになりたい

 

その気持ちを応援してきました。

主人公のサユリちゃんは、初めて会ったとき非常に緊張が強く話せないばかりか、動作も非常にゆっくりでした。

私の問いに対して、筆談することやうなずくことさえできないときもありました・

 

そんなサユリちゃんでしたが、小さなチャレンジを重ねてきました。

一つ一つできることが増えると、達成感と喜びでどんどんチャレンジを重ねていってくれました。

毎回私とのカウンセリングでは【宿題】を出しますが、それ以上にチャレンジしてくれました。

チャレンジを達成できた、その時々で感想を寄せてくれました。

それは以下のような内容でした

  • 話せなかった先生やクラスメイト話せるようになってうれしい
  • 体が緊張でうまく動かず、参加できなかった持久走に参加できてうれしい
  • 授業中に発表もできるようになり、自信が付きました

 

サユリちゃんとママと私の3人4脚で取り組んだ3年半は、あっという間でした。

小さなチャレンジを重ねていったサユリちゃんは、場面緘黙を克服しました。

 

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電子書籍ですが、ペーパーバック(紙の本)もあります。

 

何歳からでも遅くはありません

気づいた時から、変化の可能性があります。

クライアント様の中で最年長は24歳の女性です。

緘黙の歴史が長いほど、時間がかかるというお話は、以前もしましたね。

 

長く緘黙状態で過ごしてきて、周囲が受け入れてくれて、特に発話の機会がなければ緘黙状態が維持されます。

緘黙状態のままで、適応しているのです。

困ってないから、発話のモチベーションが上がりません。

だから、周りが受け入れすぎていると、かんもく状態はずっと維持されます。

 

回復には順番があります

  1. 態度の変化
  2. 表情の変化
  3. 発話可能になる

出典:河井・河井「場面緘黙児の心理と指導」 p25‐26

1,ますは発話が全くなくても、固まることなく活動に参加できるようになる段階です。

緘黙児は、緊張して固まる=動けなくなることがよくあります。こうなるとコミュニケーションは全く取れなくなり、周囲もなすすべがありません。支援の初めは、セラピストに慣れてもらうため、遊びやゲームで緊張がほぐれるような活動からはじめます。

2,1の段階を経ると、次は【表情の表出】段階です。

無表情だった顔に笑顔が出てきます。いろいろな表情が出て感情表出ができるようになります

3,次がやっと言葉の表出です。

始めのころは仲良しの子だけとか、特定の誰かと少し話せるようになり、だんだんと話す人と場所が増えていきます。

 

各段階を乗り越えるのにも時間がかかります。

個人差はありますが、話せるようになるには意識的に話すことにチャレンジすることが大事です。

もしくは非言語でもいいから相手に伝える練習をします。

 

【様子を見る】=放置?

何事も早期の支援が大切です。

手を繋いで歩く親子

よくある話

緘黙児のママからよく聞く話しです。

  1. 幼稚園の頃から、家以外で話せないわが子が心配でした(中学生場面緘黙児のママ)
  2. 専門家に相談しても「様子を見ましょう」としか言われませんでした(高校生緘黙児のママ)
  3. 「学校に来ているから心配ないですよ」と言われ、そのままです(小学6年緘黙児のママ)
  4. 周りの理解がありサポートが手厚いから、本人は困ってなさそうです(小学5年緘黙児のママ

 

【チャレンジ】の先に場面緘黙の克服がある

【結論】

チャレンジしたほうが、【場面緘黙】を早く克服できます。

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ひとりの場面緘黙の男の子との出会いが、私が場面緘黙の子を支援するきっかけとなりました。彼と信頼関係を築くのは容易ではありませんでしたが、根気よく関わることで変化が生まれてきました。筆談から電話での会話が可能になり、一部の人と話せるようになりました。この記事を読まれた*ご意見・ご感想*などございましたらお気軽に、お願いいたします。

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    この記事を書いた人

    中之園 はるな

    現在精神科クリニックにも在籍し、カウンセリング実績延べ2,000人。育てにくい子を持つママの子育てを応援をしています。特に近年、緊張が強くて家以外では上手くはなせない、場面緘黙(かんもく)症の子が増えています。これまで場面緘黙に悩む親子、延べ1,800人を支援してきました。正しい知識と、適切な支援があれば少しずつでも話せるようになります。

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