緘黙は克服した。でもどっちが本当の自分なの?
目次
初回無料相談での話
こんにちは。
場面緘黙の子ども、大人、保護者を支援している心理カウンセラー
中之園由美子です。
先日、ある女性からこんなお悩みのメールをいただきました。
【初回無料面談】を希望します
私は今、大学生で普通に話せます。ですが、自分自身が小学校6年間が場面緘黙症の症状と一致しており、現在
専門の方と一度お話したいと思い、申し込み致しました。
よろしくお願い致します。
おかげ様で、ホームページからの場面緘黙に関する問い合わせが増えてきました。
お問い合わせには、いくつかパターンがあります
- 子どもが、学校で話せないことについて悩んでいる。
- 自分が、家以外で話せないことに悩んでいる。
- 昔、学校で話せない時期があり心配なことがある。
今回のクライアント様のお悩みは、3でした。
後日、私のカウンセリングルームにお越しいただきました
お悩みというのは?
*掲載の許可をいただいていますので、一部をご紹介しますね。
KAさん(22歳)女性
明るい雰囲気で、特に緊張も感じられず、ごく普通の女子大生という感じの方です。
ようこそお越しくださいました。
初めての方は、私のカウンセリングルーム、迷われることが多いのですが迷わすに来れましたね。
はい、ナビを見ながら何とか大丈夫でした😃。
それでは、ご相談を承りますね。
今もこうして、普通に話すことが出来るご様子ですが、お悩みというのはどんなことでしょうか?
はい。幼稚園の頃は普通に喋っていたのですが、小学校の6年間、小さい声でしか喋れなかったです。友達と話すときも、聞きえないので「ん?」って感じで、友達が耳を近づけてくれていました。遠くからは大きな声が出せずに、友達に近寄ってから、肩をトントンして気付いてもらうような感じでした。中学に入って、環境が変わってから自分でもやる気を出して喋ってみようと思いました。部活も厳しかったので、声を出すこととか先輩への挨拶など、強制的に喋らないといけない環境だったのが良かったのか、それからは普通に喋れるようになりました。
ですが、今自分を振り返ってみてあの6年間は場面緘黙だったと思います。今は喋れるけど、どっちが本当の自分なんだろうと分からなくなってしまって、それでご相談してみようと思いました。
なるほど。小学校の6年間はほとんど喋れなかったけど、中学校になってから、話すこと、声を出すことを頑張った結果、話せるようになったのですね。
では、もう少し緘黙だった頃の事を伺いたいのですが、その頃自分では、緊張しやすいと感じていましたか?
緊張して、話せなかったのかどうかは・・・よく分からないです。
そうですよね、小さいころは自分が緊張しているかどうかなんてよく分からないですよね。
でも、中学生になってから、そういう環境だったとはいえ、「喋ること、声を出すこと」を意識的に頑張ったんですね。素晴らしいですね。
私のクライアントさんも、小学生の間は「喋らない」と決めていて「中学生になったら話す」と言っていた子がいます。その通りに喋れるようになりました。
なんか・・小学生の間は、いまさら喋ったら皆がビックリするだろうと思って・・
ああ、それもよくあることですよ。
急に喋って、何か言われるんじゃないか、と心配で喋れないということは、緘黙ちゃんあるあるです😄
実際、たまたま声が出て、みんなから「喋った~」などと嫌な注目をされてから、再び喋れなくなった子もいます。
私の場合、小学校の環境も良かったと思います。皆受け入れてくれて、優しかったです。
緘黙の子にとって、負荷がかからない環境は大事ですね。
ところで、今は話せているのに、本当の自分がどちらか分からなくなったという事ですが、
結論を言うと、どっちも本当の自分ですよ😊
緘黙だった子どもの頃のあなたも本当のあなただし、今頑張ってそれを乗り越えたあなたも本当のあなた。いろんな自分がいていいし、どちらかを否定することはないので、全部ひっくるめてあなたですよね。これからもいろんな人と知り合い、様々な経験をしていけば、もっと知らない自分に出会えるかもしれませんね。(*ジョハリの窓の話もしました)ありのままの自分を受け入れていいんですよ。
ありがとうございます。そういっていただいて、なんだかスッキリしました。
こちらこそ、お話を聴かせていただいてありがとうございました。緘黙を自力で克服した方に直接お話を聴くことはめったにないので、私も勉強になりました。
面談を終えて
今回のKAさんのお悩みは、
エリクソンの発達段階で言う所の【青年期の課題】=自我同一性の獲得に当たるお悩みと言えるかもしれません。
エリクソンによれば、生涯の発達段階を8つのライフテージ段階に分けてそれぞれの課題があると言います。
なので誰もが青年期にはこの課題に直面するわけです。
「自分とは何者か」=自我同一性(アイデンティティ)とは「自分が自分であること、自分らしさ」「自分は自分であって他の誰とも異なる存在である」ことを自分で認めること、と言えるでしょう。
KAさんの場合、
これから、就職活動をして社会人になる
=また、新たにライフステージが変わるタイミングで、かつて場面緘黙だったという自分がいて
「自分とは何か」というアイデンティティの課題に直面したのですね。
大人になってから、場面緘黙を克服した方の中には、【社交不安障害】が残ってしまうことがあります。
KAさんの場合は、比較的早期(中学生時代)に克服しておられます。
それでも、アイデンティティの揺らぎが起こるということは私にとって新たな発見でした。
早期に克服したなら、もう大丈夫じゃないかと思いがちですが
環境が大きく変わる時、
ライフステージが変わる時などには
サポートが必要な場合がある、という事を学ばせていただきました。
お話出来て良かったです。
少しでもKAさんのお悩み(課題)解決のヒントなれば幸いです。
感想をいただきました
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