熊本の場面かんもく家族支援・メンタルケア

場面緘黙症についておもうこと①

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日本では支援者が少ないという現状があります。

その理由のいくつか・・
1、医療機関でも、かつては小児期の一時的な状態を認識されていました。今でも、「様子を見ましょう」と言われがち。実際に子どもの状態は様々で、診断が難しい面もあるようです。
2、学校では、「問題ない」と言われることがある。しゃべらないだけで迷惑行為がないから。
3、患者の数が少ない。500人に一人と言われています。そのため、従来は研究対象にならないことがありました。近年は研究が蓄積されつつあります。

このように、本人は小さいころから苦しんでいても、はた目には目立たない障害であると考えることができます。

親も気づかない

なぜなら、家ではよくしゃべるから
まさか!学校で一言もしゃべらないなんて・・思ってもみなかったことなのです。ある意味、自然なことかもしれません


どのように支援するか ・・その前に、歴史的な流れをすこし紹介します。


けっこう昔からあった症状ですが誤解も多かったようです。そういう面でも支援されにくかったのではないかと思います。

場面緘黙という言葉が科学論文で使われるようになったのは最近のことですが、1世紀以上前から研究者やメンタルヘルスの専門家は、ある場面では話せるのに別の場面では話せなくなる子どもについて書きました。1877年クリフトン・クスマウル(Clifton Kussmaul)というドイツの医者が話す能力は十分あるのに,特定の場面では口をきかなくなる随意性失語という症状について書いたもの最初です。
それからほぼ60年後に1934年に,スイスの精神科医モリッツ・トラマー(Moritz tramer)がそういった症状の子どもたちに”選択制緘黙(electiv mutisum)”という言葉をあてはめました。トラマーが”選択”という言葉を使ったのは、「口をきかない選択を子どもたち自身がくだしているのだ」という当時支配的だった考え方を反映しています。
その後、この分野の専門家は、子どもの緘黙は”選択”や”自発的意思”によるものではないと認めるようになりました。現在用いられている、“場面緘黙(slectiv mutisum)”という用語(米国精神医学会,1944)は,特定の決まった場面でのみ落ち着いて話すことができるという子どもの状態をより正確に表していると考えられています。

 出展:場面緘黙児への支援ー学校で話せない子を助けるためにー 
2007 アンジェラEマクホルム、チャールズEカンニガム、メラニーKバニエー共著 河合英子・吉原桂子共訳 田研出版

次回は、どのように支援するかについて


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