熊本の場面かんもく家族支援・メンタルケア

あいさつが、難しい

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場面緘黙の方は、なぜかあいさつが苦手だったりします。 
  *個人差が大きいので、もちろん出来る人もいます。
●家では話すのに・・
●一部の人とは話せているのに
●1対1なら話すのに・・・

なぜ近所の人に「あいさつ」出来ないの??

周囲の人は不思議に思います。親は、特に困惑するでしょう。

なぜなら家では普通に喋るし、”お笑い担当”というくらい明るい子もいるのです。この症状が、場面緘黙症によるものと知るまでは、子どもを叱責したり話すことを強要したりしがちです。
学校の先生も、知らなければ、教室で同じ様に叱ったり、あえて発言の場を設けて話させようとすることがあります。

これらは、周囲の当事者を思う善意の指導であったとしても、叱責や発話の強要は、当事者を追い詰め、逆効果になってしまいます。

当事者の方々は、どんな思いなのでしょうか?

子どもでも大人でも以下の様に感じています。筆談でいくつかの項目に〇をつけてもらいました。

話したいのに話せない。
●のどの奥がキュッと閉まる感じがする(そうでない方もいます)。
●人前では緊張する(小さい子の場合「緊張」の意味が分からないことがあります)。
●人前でドキドキする。
●怖い
●どうしていいか分からず固まる。
●何かが起こるのではないかと色んなことが心配になる。

これらは、不安や緊張からくる『認知』や『感情』『身体反応』と考えられます。

不安障害の1つである場面緘黙症が起こるメカニズムとして、脳の中の感情(特に不安や恐怖)を司る偏桃体の過敏性が指摘されています。偏桃体は、身に危険が迫っていると感知すると「闘争逃走」反応を起こします。体を緊張させて心拍数を上げ、命を守るために逃げるか闘うかの体制を一瞬のうちに整えます。ここに、冷静な判断を差しはさむ余地はありません。
 *かんもくネットの資料が参考になります http://kanmoku.org/documents/knet_handout_n01.pdf

例えば、お化け屋敷。
誰でもアレは作られた物、偽物だと解っています。デートで彼女とお化け屋敷に入るとき、彼氏はどんなことを思うのでしょう。「お化け役の人はバイトだろうね、一度来たことあるし大体分かっているから大丈夫。怖がる彼女をしっかり守って、かっこいい所見せるぞ!」と張り切っているかもしれません。ところが、一歩中に入って「あれ!この前と違う、リニューアルしてる~~こんなはずじゃなかった~😱」と気づいたときには、もう彼氏の心臓はドキドキ、バクバク・・・偏桃体が反応しています。彼女にかっこいいところを見せるどころではなく、彼女にしがみついて恐怖と闘う羽目に。

その中は、暗闇(危険=怖い)で、得体のしれないお化け(未知の不安)が、どこから来るか分からない・・前からか、背後からか・・上から?下から?・・きっと突然くるに違いない!(ドキドキしながら身構える)と、こんなことが起こりそうですね。

想像するだけで、私もちょっと怖くなってきました(笑)

つまり、偽物だと知っている(本物の危険ではなくスリルを楽しむものと理解している)ことと、環境を危険と判断する偏桃体の働きは関係がない(独立している)ことを示しています。偏桃体は「快」か「不快」かだけを察知します。

これを、場面緘黙の人「あいさつの場面」に当てはめると

危険でも怖くもないと頭ではわかっているのに、いざその環境(近所に人にあいさつする場面)に置かれると、偏桃体が勝手に反応して「怖い」「ドキドキ」「不安」「のどが詰まる」というような反応が起こるのではないかと考えられています。

場面緘黙は、外から見ただけでは分かりにくいものですが、「わざと黙っている」「反抗的」と捉えるのは誤解です。

場面緘黙症は、まだ解明されていないことも多く日本では研究も進んでいない現状があります。

緘黙児に対してコミュニケーションカードを用いてあいさつの支援をした論文を見つけました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tokkyou/51/4/51_359/_article/-char/ja

ただし、カードを使うのを嫌がる子もいます。

緘黙児の支援は、その子に合わせて考える必要があります。

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