熊本の場面かんもく家族支援・メンタルケア

場面緘黙の子供の登校渋り解決ガイド

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場面緘黙症は、医学的には精神疾患の一つ、不安障害のカテゴリーです。しかし、まだ一般にはほとんど知られていない疾患といえます。代表的な症状は、家ではよく話すのに、特定の状況や場所で話すことができないことです。周囲の人から見れば「不思議」と思われるでしょう。

場面緘黙症の子供は、この「話すことが出来ない」困難によって、登校渋りを経験することがあります。

この記事では、公認心理師として11年の支援実績を持つ筆者が、その症状の理解から具体的な支援策までを詳しく解説します。まず、場面緘黙の特性や影響を紹介し、登校が困難になる理由を掘り下げます。

次に、親が子供に対してどのように対応すればいいのか

  • かんもく児の心を開くためのコミュニケーション
  • 自信を持たせるステップ、
  • 日常的なサポート方法
  • 学校との連携の大切さに

これらについても触れ

  • 教職員との協力やクラスメートとの関係構築の支援方法について触れていきます。

これらの支援策は

個々の家庭に合った解決策を模索する際の参考となりますが、全てのケースで効果が保証できるわけではないことをご理解ください

 

場面緘黙症の理解

場面緘黙症は、英語でSelective Mutismと表記します。Selectiveとは、選択する、あるいは選り好みするという意味です。Mutismは無言とは無言症と訳されます。医学的な訳語は「選択制緘黙」です。しかしこの訳語のままだと、あたかもその子が話さないことを選んでいるという誤解を生みます。

この疾患の定義は時代と共に研究が進むにつれ解釈が変わってきました。

 

場面緘黙症は、選んでそうしているのではなく、不安と緊張のため「話したくても話せない」状態であるというのが実態であることから、2018年に日本場面緘黙関連団体連合会から、DSM-5とICD-11の和訳を「場面緘黙」と改定を求める要望書が関連学会に提出されたことを受けて、日本語の訳名は「場面緘黙」という呼称に変更されました。

自分でもなぜ話せないかわからない

この疾患で苦しむ子は、日本ではおよそ500人に1人と言われています。

これは、内気や羞恥心だけでは説明できないもので、多くの場合、社会的不安や親との分離不安を伴っています。

言語機能には問題がないにもかかわらず、特定の場面での発話が困難になるため、本人にとってもなぜ自分がそうなのか理解できず、困惑やストレスを引き起こします。この障害は、小児期に最も見られ、学校や社会生活に大きな影響を及ぼします。

場面緘黙とは何か

前項で説明した通り、場面緘黙とは、プライベートな場面では自由に楽しく話せるのに、各種の社会的場面に場面に出たとたん突然言葉が出なくなってしまう状態です。プライベートな場面とは、家庭などの安心できる環境を指します。

反面、学校の教室や集団生活の中では全く声が出なくなってしまうことがあります。一部の子供たちは、家以外の人前では表情も乏しくなることもあり、場面により動けなくなり固まってしまう「緘動」という症状が出ることもあります。

このような状況が1か月以上続く場合、場面緘黙症と診断されることがあり、早期の理解と対応が必要です。

診断には継続的な観察と評価が必要で、他の発達障害との鑑別も重要となります。自閉症スペクトラム障害やコミュニケーション障害とは別のカテゴリーですが、これらの障害を併存する子も一定程度いると言われています。

一般的な症状と影響

場面緘黙症の一般的な症状には、特定の環境で話せなくなるというものがありますが、これは単に声が出ないだけにとどまりません。顔の表情が乏しくなったり、視線をそらしたり、体をこわばらせるなど、全体的に緊張が見られます。

また、幼稚園や学校等の場面での沈黙が続くことで、友達関係が作れず、社会的スキルの発達に遅れが生じることがあります。

学業にも影響を及ぼし、授業中に発言できないために成績が振るわなくなったり、クラスメイトから嫌がらせを受けることもあります。

このような影響が継続することで、自分には価値がないと思い込んでしまったり、自分が嫌いになるなど自己評価が低下し、さらなる不安を助長することもあります。

なぜ登校渋りが起こるのか

場面緘黙症を抱える子供たちにとって、学校は極めてストレスフルな環境です。

そのため登校を嫌がる、いわゆる登校渋りが起こりがちです。なぜなら、学校という環境では当然コミュニケーションが求められるわけで、それができいない、「話したくても話せない」場面緘黙症の子ども達には大きなストレスとなることが挙げられます。

人前で話すことがプレッシャーとなり、それが不安を増幅させてしまうため、学校に行くこと自体が苦痛になるのです。

 

もしこのようなストレスフルな環境にさらされていたとしても、周囲の理解と協力により適切な配慮や支援があれば登校渋りは起こりにくいでしょう。

筆者が関わった事例でも、実際に周囲の理解があり楽しく学校に登校で来ている子どもたちもいます。

しかし、よりそってくれる教師や、さりげなくサポートしてくれる友達がいないなら、場面緘黙症の子供がコミュニケーションができないことから孤立を感じ、しだいに登校の意欲を失なっていくことは理解に難くないでしょう。

場面緘黙の症状で苦しんでいる子どもたちを放置することは、本来は素晴らしい能力を持っている緘黙の子の発達にとって好ましくないため、適切な対応とサポートが必須です。解決策は一律ではなく、個々の子供の特性に応じた対応が求められます。

登校渋りに対する親のサポート

学校に行くことへの不安や恐怖から登校渋りを起こすことは、親にとっても非常に心配な状況です。このような状況では、親はどのようにして子どもをサポートするかに焦点を合わせる必要があります。

親の支援が子どもの不安を和らげる大きな助けとなる可能性がありますが、同時に親が子どもの不安に巻き込まれてしまうリスクもあります。親御さんの抱える不安の代表的なものは、筆者のクライアント様の例を挙げると

  • いったいいつになったらわが子は、幼稚園で、学校で話せるようになるのだろうか?
  • せめて近所の人に会ったとき挨拶くらいはして欲しい
  • このままだと将来は就職できないのではないか

こういったお声をよく聞きます。

そのため、親自身が不安になり親子で不安の渦に巻き込まれてしまうことがあります

こうなると親が適切なサポートが出来る状態ではありませんので、まずは親御さんは冷静な視点を保ちつつ適切なサポートを提供できる状態に自らのメンタルを整えておくことが重要です。

メンタルケア心安の取り組みは、初めに親ごさんの支援から始めます。それには理由があります

このような親ごさんの不安や心配に寄り添いながらメンタルを安定させ、親だからこそ出来る適切なサポートについてレクチャーします。

そのことにより、親子が陥っていた不安の渦から抜け出し、前向きに場面緘黙の克服に向けて一歩を踏み出すことが出来るのです

 

 

子供とのコミュニケーション方法

まず、登校渋りの子どもと効果的にコミュニケーションを取るためには、安全で安心できる環境を作ることが重要です。もちろんそれは家庭です。

いかがでしょう、あなたは親として、緘黙の子にとって安心安全な環境となっているでしょうか?

ついつい上から目線で「これはこうでしょう」と一方的に諭したり、指示したりしていませんか?

緘黙の子どもは、家ではよくしゃべりますが、予期不安と言ってまだ起こっていないことをネガティブに考えたり不安になることから、行動が止まることがあります。何かを決める時にも時間がかかります。

そんな時、親御さんはついつい先走り行動をしがちなんです。

子どもが考えて答えを出す前に、待ちきれずに「これだよね」「これにしようか」といいがちです。

これでは子どもは、自らの意思で考えて決断することが出来なくなります。親に依存する傾向が強まり、ますます自分で決められなくなります。

解決策は「待つ姿勢」と「適度な促し」

子どもと話をする時に「待つ姿勢」が大事です。

いつまでも自分で答えを出さないわが子に対して、少し苛立ちを感じるかもしれませんが、ここは辛抱です。ゆっくりとした態度で、子どもの言いたいことを遮らずにしっかりと聞き、その不安や恐れを受容する姿勢を示すことが大切です。

また、先走って親の考えを押しつけることなく、子どもが抱える具体的な問題について共に考えることが大切です。

共感のキーワードは「そうなんだね」です

ぜひ、そう言ってあげてください

親御さんにも感情があります。

本心では「どうしてそうなんだろう」と思ったとしても、子どもの不安な気持ちに共感を示す言葉を使いましょう。

自分の意見や感情は、ちょっと横に置いて「そうなんだね」とまず言ってみて下さい。

子どもの表情がもしかしたら変わるかもしれません。

そのようにして、共感を示しながら、子どもが何を望んでいるのか、どうしたいのかを聴くことが第一のステップです。

このように「聴いてもらえた」という実感が、親子の信頼関係を構築し子どもの安心感を高めます。

適度な促し~自信を持たせるためのステップ

子どもが自信を持ち、学校に対する不安を克服するためには、小さな成功体験を積み重ねることが有効です。小さな成功体験とは、いわゆるスモールステップのchallengeです。

わが子に適したスモールステップのchallengeを親子で考えて、計画していきますが、その際、大事な事は親目線の目標になっていないかを確認することです。親目線でchallengeをさせようとすると、子どもにとってビッグchallengeになるかもしれません。その場合は不安が強くなりわが子に適したchallengeではない可能性があります。

わが子に適したスモールステップのchallengeとは、子どもがほんの少しの勇気を出せば出来るくらいの「目標」を設定することで、心理的な負担が小さく実践しやすくなります

そのようにして、わが子に適したスモールステップのchallengeを親子で取り組めば、成功体験を積むことが出来ます。子どもは、成功したこと自体がうれしい体験となりますが、それを親御さんが認めてくれたことにも大きな安心感と自信を持つことが出来ます。

上記のように、小さなchallenge目標を設定して取り組むことによって、成功体験を積めば、子どもは次の新しいchallengeがやりたくなるのです。このようにして場所を替え、対する人を替えてステップアップしていきます。

筆者がサポートして、スモールステップchallengeを繰り返し実践し、話せるようになった事例は多数あります。これまで延べ4000人超の親子を支援してきて、9割の子どもに行動の変化がありました。その先に発話が叶うのです。

親にできる後押しとは!

challengeをが成功したら、褒めてください。たとえどんな小さなチャレンジでも、子ともにとってはそれが勇気のいる「ハードル」なんです。親から見ればこの程度のことが出来ないんだなと、思うかもしれませんが、改めてわが子の実態が把握できる良い機会になります。

今できていることを褒めたり、成功したことを具体的に喜びあうことで、子どもの中に「小さな自身の芽」が生まれます。

これは、筆者のオンライン講座の生徒 小学4年生女児の作品

 

生まれたての小さな自身の芽はすぐにしおれてしまうかもしれません。必要なだけ日の光を浴びて、お水をやり、栄養を与えてあげなければ枯れてしまうでしょう。「小さな自信の芽」も親ごさんの声掛けを栄養にして、ぐんぐん成長するでしょう。

だから、「褒める」「ともに喜ぶ」ことが大切なんです。

身近な他者からの「賞賛と承認」が、緘黙の子の自信の芽を育てていくのです。

 

日常生活でのサポート方法

日常生活において、親は子どもの生活リズムと心身の健康の維持をサポートしましょう。

まずは、親に依存しないで自分でできる行動を増やしていきます。

規則正しい生活習慣を維持することは、子どもの自立の第一歩です。

朝の起床が自立の一歩 こどもは自分で起床していますか?

この問いにママたちは「いいえ~私が起こしています」と答えることが多いのです。

  • 学校に(幼稚園に)遅刻したらいけないから
  • いつまでも起きてこないから仕方なく
  • 自分も仕事に行くのでさっさと起きて欲しい

このような理由で、毎日起こしているというのです

この行動は、毎日のルーティンで親子の習慣になっているますね。

子どもにしてみれば、いつも親が起こすから寝ててもいという状態が維持されます。

このループを壊して、自分で起床する事を習慣化できるような言葉かけをしていきます。

リラクゼーションを取り入れる

さらに、緘黙の子が家の外でも緊張をコントロール出来るように親はサポートする必要があります。

 

最も効果的な方法は「呼吸法」です。

緘黙児の親御さんも、子どものかんもく状態が長く続くことによって不安や緊張を感じやすいとしやすい傾向があると言われています。

家族で一緒に呼吸法などのリラクゼーションに取り組む時間を持ち、緊張がほぐれる体の感覚を味わう事が大切です。

コツは、吐く息を長くすること。

人間の体における緊張と弛緩は、自律神経によりコントロールされています。

吸うとき緊張(活動モード)になり

吐くとき弛緩(リラックスモード)になります。

なので、ゆっくり長く吐く練習がリラックスモードに体を整えてくれます

子どもは呼吸が浅い傾向にありますので、あまり細部にこだわらず共に楽しさを分かち合う工夫をしながら取り組むと良いでしょう。

これを習慣化することで、緊張しやすい子どもの不安を軽減できます。

習慣化のためには少し根気が要りますが、具体的には、リラクゼーションの時間を1日の終わりに3分程度でも取り入れることを目指すとよいでしょう。

呼吸法以外のリラクゼーション方については拙著【わが子が家の外では話せないことに気づいたら読む本】をご参照ください

筆者のクライアント様がいくつかのリラクゼーションを緘黙の子様と実践されたところ、その子の目覚めがよくなって、朝の支度もスムーズになり学校への行き渋りも軽減したとの報告がありました。

 

加えて、家族で共有の趣味を持つなど、子どもと一緒に楽しめる時間を提供することが大切です。

大切なことは、親自身がストレスを管理し、安定した心の状態を保つことです。親の心理的な安定が子どもにとっても安心材料となります。

最終的に、これらのサポート方法はすべての子どもに効果があるわけではありませんが、一人ひとりの子どものニーズに合わせて調整することが求められます。

 

学校との連携と具体策

場面緘黙症を抱える子供が学校生活をどのように過ごすかは、その後の成長や社会的な適応に大きな影響を及ぼすため、学校との連携は非常に重要です。

しかし、教師が場面緘黙についてよく知っているかどうかは分かりません。親御さんにはぜひ、教師や学校の職員と緊密に協力し、情報を共有してほしいのです。情報を共有することにより、わが子が学校で直面している課題が分かりますし、子供にとって適切な支援とは具体的にどうすればいいかを話し合ってください。親御さんと教職員の話し合いの中でも有効と思える「案」が出ないときは、心理の専門家に相談することをお勧めします。

 

この記事では、学校との具体的な連携策について詳述し、どのように子供が安心して学校生活を送れるようにするかについて解説します。

教職員との協力と情報共有

まず、教職員との協力関係を築くことが重要です。教師は日常的に子供と接するため、その観察は貴重な情報源です。定期的なミーティングを通じて、家庭と学校で得られた情報を共有し合うことで、子供の状況をより精密に把握することができます。また、教師が場面緘黙症についての知識を持つことは、子供の扱いにおいて重要です。学校側からも情報提供を行い、必要であれば専門家を招いての研修会を開催することも有効です。こうした協力体制を築くことで、子供に対する教育的サポートが一貫性を持つように工夫していきましょう。

クラスメートとの関係構築支援

クラスメートとの良好な関係は、場面緘黙症の子供にとっても心の安定につながる重要な要素です。

クラスメートに病状を理解してもらうためには、教師のサポートが欠かせません。しかし、あくまでプライバシーや感情に配慮し、本人の同意を得た上で情報を提供することが大切です。班やグループ活動などで、子供が自然な形で他の子供たちと交流できる機会を設け、特別扱いされずに参加できる環境を整えましょう。また、仲の良いクラスメートとの交流を促進することでも、子供が協力的な関係を築きやすくなります。

教師が出来る支援の実際

今でこそ、教職員の場面緘黙症に対する認知度は高まっているものの、10年以上前であれば教師は「場面かんもく症」について教わっていない方々も多いと聞いています。ある教師の方は、「大学では子どもの病気、成長とともに治る」と学んだ記憶がある程度だったそうです。

壇上で緊張している生徒のイラスト(女子)

先生はかんもくの専門家じゃない

筆者の知人で45年間教職員経験があるベテランの元教員の方のお話でも、「当時の私には「場面緘黙」の知識は全くありませんでした。単なる大人しい子として扱っていたように思います。あの時知っていれば何かできたかもしれない。」とおっしゃっていました。

つまり、かんもくが起こる現場である学校で教師が「知らない」なら適切な配慮もできるはずがありません。

 

参考になる学校での取りくみが書かれた本

  • ①「イラストでわかる子どもの場面かんもくサポートガイド」2018,金原洋二,高木潤野著 合同出版
  • ②先生とできる場面緘黙の子どもの支援 2015,クリストファーAカーニー,監訳大石幸二 学苑社
  • ③場面緘黙児への支援ー学校で話せない子を助けるためにー AngelaEMcholm他共著 河井英子他共訳

 

他にも多数ありますが、①以外は海外の書籍ですので、このまま日本の学校で実践できるかは難しいところです。

 

先生にできること

■安心できるクラス作り

これはかんもく児でなくても一般の子どもにとっても大切ですね

特別な配慮ではなく、必要な子に必要な配慮が必要です。いわゆる合理的配慮です。

例えば「席決め」では、クラスでお話しができる仲良しさんがいれば、かんもく児の席の近くに配置する。そうすることで、何か困ったときに、その子が仲良しの子に相談できるという安心感が持てるからです。

クラスの状況によって「席決め」は子どもたちの話し合いで決めたり、くじで決めたり、ということもあるようですが、かんもく児が居るクラスの担任は合理的配慮として、毎回決める方法をとることも良いでしょう。

授業などで「グループディスカッション」の時も、配慮が必要です。例えば、「好きな子と4人グループを作ってください」という場合、場面緘黙の子にとっては、自分で意思表示が出来ず、ひとりになってしまうことが起こりかねません。そのようなことがないように席決めやグループ決め」の際には、子ども達で自由に行っても、いつも嫌な思いをするような子どもがいないようなクラスを目指すことが大切です。

■全員参加の非言語でできる遊びをする

子どもは遊びを通してコミュニケーションを学びます

かんもくの子どもも同じです。かんもく児も他の子もできる遊びは、例えば

  • 絵しりとり
  • じゃんけんゲーム
  • ジェスチャーゲーム
  • 風船バレー
  • 折り紙
  • お絵かき
  • 輪投げ
  • ペットボトルボウリング
  • オセロ
  • ジェンガ

まだまだ色々あります。ほんの10分でも、教師とクラスメイトと共に楽しい時間を過ごすことが出来れば、場面かんもく児にとってクラスに居ることが楽しいと感いることが出来るでしょう。

かんもく児にとって、クラスを安心して過ごせる居場所にすることが、教師にできる第一の役割りだと考えています

 

保護者との連携

かんもく児の保護者様は、家では問題なく話すので、わが子が学校で一言も話さないことに気が付いていないケースもあるんです。教師は学校生活が始まって1カ月以上「話せてない」なら、保護者にそれを伝えるべきです。そしてお互いに情報交換を密にして、その時々の適切な配慮について話し合いの場を持つことが大切です。親も教師も一人で頑張らない、協力して支援をすることが大切です。

■具体的な方法
(1)子どもの様子を観察し保護者に伝える
教員は正しい知識を持って、注意深く子どもたちを見ていくことが大切です。
場面緘黙は、「本来、その子がもつ力を十分に発揮できない状態」です。頑固な子だ、わざと喋らないのではないか、話す相手を寄り好みしているのではないか、などどいった誤解や偏見はなくしていきたいものです。

場面緘黙について正しい知識を得ることでかんもく児のSOSにもいち早く気付けるのではないでしょうか。

(2)家庭に子どもの「困り感」を共有する
家庭に、場面緘黙の疑いのあるお子さんの学校での様子をお伝えすると、驚きながらも前向きに子どもの問題に向き合おうとされる保護者様と「家では問題ないから」と問題として認識されないケースがあります。後者の場合、子どもの困り感に気が付けないまま放置してしまう結果になります。この親の関心の低さも「知らない」ことに起因していますので、教師は保護者に定期的に子どもの様子を伝える中に、解決策に積ながる心理教育が必要です。しかしこれが難しい場合には、精神科Drの助言や心理の専門家に相談して伝えていただくことも検討しましょう。

子どもの困り感に気が付いているのだけれど、保護者は問題を感じておられない場合、家庭と学校の連携できず校内でのみ支援していくことになりは限界があります。有効な支援にはご家庭との協力は不可欠です。 

(3)支援機関との連携
保護者に相談できる場所を紹介する時は、教師も一緒に取り組んでいこうとする姿勢が大切です。「家庭」「学校」「医療機関や相談機関」が連携できることが、ご家庭の安心に繋がり、有効な支援へとつながります。できれば事前に、「場面緘黙」に関する情報や支援経験があるかということも確認しましょう

豊富な実績のあるメンタルケア心安の取り組み

筆者は、精神科クリニックの支援実績から、場面かんもくの専門支援機関としてメンタルケア心安を開設しました。

【ミライ開花SMPT】という独自の改善メソッドを開発し、2013年から延べ4000人超の支援実績があり、その9割にかんもく状態の改善傾向がみられます。現在は対面とオンラインで支援を展開し、オンラインのグループセッションには国内外からかんもくに悩む親子が参加している。

学校との定期的な支援会議

精神科クリニックにおいて多くのかんもく児と触れ合う中で、筆者は心理師として学校との連携も密に行ってた。その結果、保護者、学校関係者、心理師との意見交換の中で有効な支援策が構築されることとなり、かんもく児への理解と今後の対応がスムーズになり、保護者の心理的負担も軽くなった。

場面かんもく児の行き渋り、不登校に関しても独自のメソッドを用いて、学校との連携を維持しながら支援していったことが緘黙児の症状改善に役立つ結果となった

終わりに

この記事は筆者が、11年のかんもく児支援の実績を基に構成しています。かんもく児に関わる親御さん、教師、心理師等が連携してかんもく児を中心にした支援を展開していけば、本来素晴らしい能力があるかんもく児に未来か開かれることとなるでしょう

 

メンタルケア心安では経験豊富な公認心理師がご相談に応じています

初回30分個別相談はこちらから

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「家では話すのに、どうして学校では話さないの」と、我が子のことが理解できずに困っている保護者様はいませんか?場面緘黙症は不安障害の一つで、話したいのに話せない状態です。我が子を理解することが支援の第一歩です。

  • 小さいころから、家以外で話すことが難しい

  • 家では元気でよくしゃべる

  • 小学校の中学年、高学年になって学校で話せなくなった

  • 聞かれたことに頷くことも非常にゆっくり

  • 緊張して体が固まる(動けなくなる)ことがある

上記の症状があるお子様のことで相談をご希望の方は

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・対象のお子様年齢(学年)

・かんもく状態の経緯を簡単に

下記のフォームにご記入いただき送信してください。

 

 

 

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    この記事を書いた人

    中之園 はるな

    現在精神科クリニックにも在籍し、カウンセリング実績延べ2,000人。育てにくい子を持つママの子育てを応援をしています。特に近年、緊張が強くて家以外では上手くはなせない、場面緘黙(かんもく)症の子が増えています。これまで場面緘黙に悩む親子、延べ4000人以上支援してきました。正しい知識と、適切な支援があれば少しずつでも話せるようになります。

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