熊本の場面かんもく家族支援・メンタルケア

卒業式、~善意が刃に変わる時~

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教室に入れないあの子のために・・・

ある場面緘黙の女の子の体験です。

クラスに馴染めず、教室に入れないA子ちゃんのために、

クラスのみんなが企画して「一人だけの卒業式」が行なわれました。

わぁ~素敵❣いい話

と思いますか?

一般的には、いい話だと思われますよね。

クラスの子ども達も、善意でしかなかったと思います。
色んな準備も大変だったでしょう。

 

でも、A子ちゃんは嫌で嫌で仕方がなかった。とても喜べませんでした😥。

なぜか・・・

そのわけは、その状況にあります。

  • クラス全員の前で、たった一人で校長から証書を受け取る。
    ⇒めっちゃ目立つよね。みんなに注目されるのが苦手なのに・・・
    ⇒Aちゃんの特性を考えると、
    とても辛い状況でした。
  • 音楽や、スライドショーもあった。
    ⇒これも、みんなが注視する中で一人主役の座に居るAちゃん、
    いたたまれなかったと言います。
  • 写真撮影があった
    ⇒Aちゃんは、写真が嫌いなのです。
    事前に聞いていなかったので緊張がMaxになって、動けませんでした。

 

善意が刃に変わることもある

「相手がそれを喜ぶとは限らない」ことを知らなかった。

クラスの子ども達は、きっとAちゃんと一緒に卒業式をしたかったのだと思います。

たった一人卒業式に出ることが出来ないAちゃんのことを思いやっての事だと思います

ただ、

きっと喜ぶだろうという思い込みで事を進めてしまうと

善意で、相手を傷つけることがあります。

 

善意が善意として相手に届く為に

ここは、大人の配慮が必要です。

先生たちへのお願いです🙏

Aちゃんの特性そしっている先生たちが、

子ども達へ「ちょっと待って✋」と言ってあげてください。

今の計画を実行して、相手がそれを喜ぶのかどうか、確認してみることをお勧めします。

 

もし、相手がそれを嫌がったら・・・

どんな形なら受け取りやすいのか、本人と話し合うことが大切です。

 

この記事を書いた人

中之園 はるな

現在精神科クリニックにも在籍し、カウンセリング実績延べ2,000人。育てにくい子を持つママの子育てを応援をしています。特に近年、緊張が強くて家以外では上手くはなせない、場面緘黙(かんもく)症の子が増えています。これまで場面緘黙に悩む親子、延べ1,800人を支援してきました。正しい知識と、適切な支援があれば少しずつでも話せるようになります。

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