徹底解説:場面緘黙を放置するリスクと今すぐできる対策
子育て中のママたちにとって、2,3歳になったわが子が、家では話すのに外では他の人と話さないことに気が付いた時、違和感を感ます。それが一時的なものでなかった場合、次第にママたちの心に不安や焦りが生じます。
この事は、私のクライアント様がよく言わることです。
家以外で話さない状態が1か月以上続くなら、子どもの行動の背後にある「場面緘黙(ばめんかんもく)」という症状を深く理解することが非常に重要です。
この記事では、場面緘黙が何かを掘り下げ、その症状や原因について解説します。
さらに、場面緘黙を放置することが子供に与える心理的影響や、学業・社会生活への悪影響も取り上げています。
この状態を放置することのリスクをしっかりと理解することで、
早期発見と早期対策の重要性がわかります。ここでは、専門家の支援や家庭での具体的なサポート方法、そして学校や職場での対応策についても詳しく説明しています。
この記事を読むことで、お子さんの心のケアに役立つ具体的な対策やトレーニング方法を学べ、子供が安心して成長できる環境を整える手助けが得られます。
目次
場面緘黙とは何か
場面緘黙(ばめんかんもく)とは、特定の状況や場所で話すことが非常に難しくなる状態を指します。この状態は主に子供に見られることが多いですが、大人にも発症することがあります。場面緘黙の影響を受ける人々は、家庭では普通に話すことができる場合が多いですが、学校や職場などで話すのが困難になります。私のクライアント様の例では、年齢は3歳~25歳までおられます。
場面緘黙の定義と症状
場面緘黙の定義としては、持続的な話さない期間が1か月以上続き、その間に他の場所では話せるという特徴があります。この状態はシャイや恥ずかしさとは異なり、極度の不安や緊張が引き起こすものです。主な症状としては、特定の状況で話さないこと以外にも、非常に緊張した表情、身体的徴候(例えば震えや汗)が挙げられます。また、他の人との目を合わせることを避けたりします。筆談やジェスチャーを使ってコミュニケーションは可能なことが多いですが、それすらできないほど緊張が強い子もいます。非常に多様性に富んだ症状があります。
子供に多いが大人にも発症する理由
場面緘黙は特に幼児期や児童期に多く見られますが、大人にも発症することがあります。子供の発症原因としては、社会的なプレッシャー、不安感、家族の影響などが挙げられます。大人の場合は、子供の頃から続いているケース、または大人になってから新たなストレスやトラウマによって発症するケースがあります。職場のストレスや社会的な期待が重なることで、不安感が増し、話すことが困難になることがあります。
場面緘黙の原因とリスク要因
場面緘黙の原因は一つとは限らず、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多いです。
- 遺伝的な要因として、不安感が高い家族歴を持つことがあります。
- 環境的な要因としては、家族内でのコミュニケーションの取り方、過度なプレッシャーやストレス、学校でのいじめや排除などが挙げられます。
- 心理的な要因としては、不安障害や社会不安障害と関連が深いとされています。
- このような要因が組み合わさることで、場面緘黙が発症しやすくなります。
リスク要因にはいくつかの特徴があります。
例えば、内向的な性格の子供や、新しい環境に対して敏感で適応が遅い子供は、場面緘黙を発症しやすいとされています。また、家族内で過保護や過干渉な育て方をされている場合もリスクが高まります。さらに、トラウマや過去の苦い経験が引き金となることもあります。
場面緘黙は単なるシャイな性格とは異なり、適切な理解と対処が必要です。
場面緘黙は、早期に気づいて対処することが重要です。
症状が進行すると、学業や社会生活に大きな影響を与える可能性があります。次の章では、場面緘黙を放置するリスクについてさらに詳しく見ていきます。
場面緘黙を放置するリスク
場面緘黙は、特定の場面や状況において言葉が出なくなる状態を指します。
この状態を放置すると、さまざまなリスクが生じる可能性があります。
特に、心理的な影響や学業・社会生活への悪影響は見逃せません。さらに、早期に発見し対策を講じることの重要性も指摘されています。この章では、これらのリスクについて詳しく解説します。
心理的影響と長期的なトラウマ
場面緘黙を放置すると、子供は深刻な心理的影響を受けることがあります。
主な影響として、
- 不安や緊張が常に伴うことが挙げられます。
これにより、自己評価が低下し、人間関係の構築が困難になります。
よくある例としては、小学校低学年ごろまでは周囲が優しく声をかけ何かと構ってくれていたのが、高学年になると周囲の子もの様子が変化します。声をかけても反応がない場面緘黙の子をお世話することが負担になるため、声掛けが少なくなっていく。つまり友達ができにくくなるのです。 - また、自ら発信できない対人コミュニケーションの困難さは長期的なトラウマに繋がることが多いです。
これらのストレスが持続すると、うつ病や不安障害を発症するリスクが高まります。ある研究によれば、場面緘黙の子供の30%が成人後にもうつ病を発症すると報告されています。
学業・社会生活への悪影響
場面緘黙が学業や社会生活に与える影響も非常に深刻です。
- 周囲の理解があり、筆談や、選択肢に答えるような配慮がなされる場合を除けば、その子が授業に参加することが辛くなるでしょう。
- 発話が必要な教科、例えば英語や音楽の成績が低下する可能性があります。
- さらに、グループ活動や発表が苦手になるため、クラスメートとの相互作用が減り、孤立感が増します。
この状況は、成長過程において重要な社会的スキルの習得を妨げる要因となります。
職場においても、コミュニケーションの不足はチームワークの欠如や職務遂行上の問題に繋がることがあります。多くの専門家が示唆しているように、場面緘黙は早期の介入が不可欠です。
早期発見・早期対策の重要性
場面緘黙を早期に発見し、適切な対策を講じることは、その子のその後の人生に大きく影響してきます。
- 早期段階での介入により、子供が感じる不安やストレスを和らげ、自信を持ってコミュニケーションを取るスキルを育むことが可能になります。
- 親や教師が子供の行動に注意を払い、少し違うなと感じた場合には速やかに専門家に相談することが推奨されます。
- 専門家の支援を受けることで、子供には適切な環境が提供され、安心感が生まれます。
これにより、子供は自己表現の能力を徐々に養うことができます。
具体的な対策としては、行動療法が有効とされています。 - 当社では、行動療法をベースに、子どもの不安レベルを可視化するテンプレートを用いてスモールステップの方法や、リラクゼーションを取り入れた【ミライ開花SMPT】メソッドを提供しています。
そこで重要なのが安心できる環境づくりです。
以上のリスクを理解し、早期発見に努めることで、場面緘黙の子供たちの未来をより明るいものにすることができます。親や学校関係者が協力しながら子供たちを支える姿勢が必要です。
今すぐできる場面緘黙対策
場面緘黙(ばめんかんもく)は、特定の場面や状況で話せなくなる症状であり、対処しないと長期的な心理的問題や社会的な障害を引き起こす可能性があります。そのため、早期の介入が非常に重要です。この章では、今すぐ実践できる場面緘黙対策について詳しく説明します。
専門家の支援とカウンセリング
場面緘黙を克服するための最初のステップは、専門家の支援を受けることです。心理カウンセラーや臨床心理士が、子供や大人の場面緘黙のアセスメントを行います。診断は医師の仕事です。専門家は、個別の症状や背景を詳しく評価し、それに基づいて適切な治療プランを策定します。カウンセリングセッションでは、認知行動療法(CBT)や遊戯療法(プレイセラピー)などの技法を用いて、段階的に話すことへの抵抗を減らしていきます。また、家庭や学校と連携しながら取り組むことも重要です。
家庭でのサポート方法
場面緘黙の子供にとって、家庭は安心感を感じることができる重要な場所です。家庭でのサポート方法として、まず子供の感情や気持ちを理解し、無理に話すことを強要しないことが大切です。子供が安全に感じる環境を作り、少しずつ自己表現を促す工夫が必要です。例えば、家族と一緒にいる時に短い発言を褒めたり、リラックスした状態で遊びながら話す練習をすることが効果的です。また、コミュニケーションの中で子供の発言を大いに受け入れ、肯定的にフィードバックをすることで、自信をつけていく助けになります。
学校や職場での具体的な対応策
学校や職場は、場面緘黙の人々にとって挑戦の多い場所です。学校や職場での具体的な対応策としては、まず教師や同僚に場面緘黙に関する知識を共有し理解を深めてもらうことが重要です。学校では、教師が子供たちに優しい言葉をかけ、安心できる環境を提供することが求められます。また、口頭での発表が難しい場合は、筆記やデジタルツールを活用して自己表現の機会を与えるのも一つの方法です。職場では、静かで落ち着いた環境を提供し、徐々にコミュニケーションを取っていけるような業務配分を心掛けると良いでしょう。
総じて、場面緘黙の対策には専門家の支援、家庭での温かいサポート、そして学校や職場での理解と柔軟な対応が欠かせません。症状が長引くほど対処が難しくなるため、早めに取り組むことが何よりも大切です。このような支援とサポートがあれば、場面緘黙の方々も徐々に少しずつ、自信を持って話せるようになるでしょう。
具体的なトレーニング
場面緘黙(ばめんかんもく)を克服するための具体的なトレーニングは、子供から大人まで幅広い年齢層に効果的です。特にスモールステップ方式と呼ばれるトレーニング方法は、多くの専門家が推奨しています。これは、一度に大きな目標を達成しようとするのではなく、少しずつ段階を経て進歩していく手法です。この方法は、緘黙者が特定の場面での喋る能力を回復するのに役立ちます。
スモールステップ
スモールステップの基本的な考え方は、非常に具体的かつ達成可能な目標を設定し、それを少しずつクリアしていくことにあります。
たとえば、場面緘黙の子供が学校で発言することを目標にする場合、いきなり教室の前でスピーチをさせるのではなく、最初は友達と1対1で話すことから始めます。次に、数人の友達と話す、その後小グループで発言する、というふうに段階を踏んで進めていきます。
また、スモールステップを進める際には、成功体験を提供することが重要です。小さな成功を積み重ねることで緘黙者の自己肯定感を高め、自信を持たせることができます。たとえば、最初は簡単な質問に答えるだけでも「できた」という成功体験になります。次第に、より長い文を使った会話や、非公開の場での発言を経て、公共の場で話すことに挑戦していきます。
緘黙の子どもがスモールステップを進めていくうえで重要なのは、周囲の人々、特に家庭や学校でのサポートです。
家庭では緘黙のこどもが安心して話せる環境を作ることが大切です。具体的な方法としては、日常会話の中で無理なく発言の機会を増やし、話しかける際にはプレッシャーを感じさせないように配慮することです。
また、学校では教師や同級生の理解と協力が不可欠です。
対応の基本としては
- 教師が緘黙の子どもに対して信頼関係を構築することがまず大切です。
- 無理な発話は求めず、かといって「発話の場をいつも免除」することもよくありません。
- どのような方法なら「意思表示ができるのか」を丁寧にかんもくの子どもに確認しながら探していくことが大切です。
- そのためには保護者との連携が大切です
- 非言語でも意思表示できたときには積極的に称賛することで、教師との間に「信頼関係と安心感」が生まれます。
- 同級生には、緘黙者をからかったり、無理に話させようとしたりしないように注意を促すことが重要です。
最終的に、スモールステップ方式は緘黙児・者にとって非常に効果的な方法であるとされています。
焦らずに取り組むことで時間をかけて緘黙を克服することができます。
一度に大きな進歩を求めるのではなく、小さな一歩一歩を積み重ねることが重要です。こうした取り組みによって、緘黙の子ども徐々に話すことへの恐怖心を克服し、日常生活や学業、社会生活の中で自信を持って発言できるようになります。
当社では、場面緘黙児や社会人になった若者の症状改善のために、
行動療法をベースにしたスモールステップ方式のトレーニングをグループセッションとして確立しました。
10年間で延べ4000人超の親子を支援し、9割に良い変化が起こっています。
次の章では、当社の開発したメソッドについて解説します
場面緘黙改善メソッド【ミライ開花SMPT®】
その特徴は以下に示す通りです
- 行動療法に基づいたエビデンスのある方法を採用していること
- 場面緘黙の保護者に特化したペアレントトレーニングが組み込まれていること
- 保護者支援だけでなく、かんもく児への具体的な支援を行う事
- かんもく児と保護者だけのグループ療法であること
- すべてオンラインで実施していること
- 話すことがゴールではない
- 親子共依存から脱してそれそれが精神的自立を果たすこと
- かんもく児が話せるだけでなく自己実現を目指すことが出来るマインドを手に入れること
3段階の支援システム
くわしくはこちらをご参照下さいhttps://ysmentor.net/smsien/smpt/
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