かんもく児が話せるようになるには順番がある
目次
かんもく児の回復の順番
【今日のテーマ】
かんもく児が回復するには【順番】がある
その順番とは?
このホームページをご覧くださるあなたは【場面緘黙】に関心がある方ですよね。
もしかしたら、我が子がそうだと言う方もおられるかもしれません。
私はこれまで
延べ800人以上の場面緘黙の子どもと親を支援し、8割以上に変化がありました。
でも、回復するには順番があることをご存じですか?
いきなり、「喋りなさい」と事あるごとに指導したとしても無理なんです。
順番が違うから、
子どもを追い詰めるだけです。
コミュニケーションが成り立つための【階層構造】
河井、河井(1994年)によると、「社会的場面におけるコミュニケーションが成り立つための階層構造」があります。それが、以下の3つの水準です。
第3の水準 言語表出
第2の水準 感情・非言語表出
第1の水準 動作・態度表出
何らかの緊張が加わって適応行動が崩れていくのは、第3の水準【言語表出】からと言います。
つまり最初に言葉が出なくなる➡次に表情が固まり感情が出なくなって➡動作がぎこちなくなり固まる、もしくは緊張する場面(外)に出て行かなくなる。
こういう順番で、適応行動が崩れます。そして、回復するのは逆からです。
第1の水準である、動作・態度から回復します。
つまり、身体が固まらなくなり、動きがスムーズになります。
そして次が非言語の対応(筆談、首振り、うなずき)などが出来る様になります。
第1の水準の時は、うなずきさえも難しいのです。
体がスムーズに動いて、非言語の対応が十分出来る様になり、その次がやっと言語表出です。
【上から崩れて下から回復する】
この順番で回復するため、時間が掛かります。
でも、丁寧に対応していけば、変化は起こります。
まずは緊張をゆるめて体がスムーズに動くこと。出不精だった子がママと一緒に買い物についてこれるようになる。ここから始めます。
私が支援するかんもく児たちも、この順番で回復しています。
かんもく児が話せるようになった
今日、とても嬉しいことがありました。
かんもく児の大きな変化を目の当たりにしたのです。
支援開始から、8カ月経った今日のセッション(2022,4,2)
ZOOM上で、ペアになった[かんもくの子ども同士が会話出来た]のです。
第3の水準をクリアできました。感動的でした。
どのような会話かと言うと、
ます、質問項目をあらかじめ決めておきます。これをお互いに質問し合います。
例えば「好きな○○は何ですか?」というような、単語で答えられる、答えが1つしかない質問です。
これをクローズドクエスチョンと言います。
答えが、YESかNOか
もしくは1つしかないような質問には答えやすいのです。
私は、初めてこの子達の声を聞きました。
しかも、もうすでに子どもたちのフィールド(地域や学校)においても話せるようになっている子もいます。
まだ完全にどんな場所、人でも大丈夫ではないものの、
今日は、私のオンラインセッションの受講生(かんもく児)が話せるようになった記念日となりました。
私も感動しましたが、目の前で、かんもくのわが子が会話しているのを観た保護者の喜びはひとしおでしょう。
子どもたちの頑張りに拍手を送りたいと思います。
今日、大きなチャレンジをして成功体験を得た子ども達は、大きな自信を得たことでしょう。
第3の水準に一歩踏み出しました。
これからまだまだ課題はあります。
これからも、子どもたちの勇気のチャレンジを応援します。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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ひとりの場面緘黙の男の子との出会いが、私が場面緘黙の子を支援するきっかけとなりました。彼と信頼関係を築くのは容易ではありませんでしたが、根気よく関わることで変化が生まれてきました。筆談から電話での会話が可能になり、一部の人と話せるようになりました。この記事を読まれた*ご意見・ご感想*などございましたらお気軽に、お願いいたします。
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近年、多様化する価値観のなかで、心の問題も多様化、複雑化しています。うつ、社交不安などに加えて発達障害、ゲーム依存、コミュニケーションについての相談が増えています。精神科クリニックにも在籍し子どもから大人まで、カウンセリング延べ2,000人。クライアントの悩みに寄り添い、適切な心理療法を用いて問題解決へ向けてサポートします。
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